はじめに
多人数参加のWebRTCデモアプリであるKurentoRoomDemoのAndroidアプリ版を作成したので、GitHubに公開しました。
https://github.com/baconbabao/KurentoRoomMobile
初回リリースのため、バージョン番号として、0.0.0 のタグを付けて登録しています。今後、以下のルールでバージョンアップを図っていきたいと思います。バージョンアップ時は本ブログで更新内容をお知らせする予定です。
バージョン体系: X.Y.Z
X – メジャーバージョン:大幅な変更
Y – マイナーバージョン:小規模な機能追加
Z – 不具合修正
Android版の概要
KurentoのWebサイトで公開されているブラウザ版と比較して、大きく以下の機能を削っています。
- Chat機能
- スクリーンシェア機能
- 画像フィルタ処理機能(帽子をかぶせる)
コンパイル&実行方法
開発環境の準備
まずは、Androidの開発環境を準備します。
詳細は、「AndroidでWebRTCアプリ開発(開発環境準備編)」を参照ください。
開発環境
- 開発ターゲット:Android 4.2+
- 開発用PC: Windows10
- 開発フレームワーク: Cordova + AngularJS + Ionic
開発環境の構築手順
以下の開発ツールをインストールします。
- (1) JDK
- (2) Node.js
- (3) Android SDK
- (4) Cordova
- (5) Ionic
(1)JDK~(4)Cordovaのインストール
こちらのサイトでインストール手順が詳しく記載されていますので手順に従ってインストールしてください。なお、Android SDKの「SDK Tool Only」のインストーラは2018年1月時点で該当サイトに見つからなかったため、代わりにAndroid Studioをインストールしました。SDK Toolは、Android Studionの起動後のセットアップでインストールされます。
(5)Ionicのインストール
Cordovaのインストールと同様にnmpでインストールします。AngularJSも一緒にインストールされます。
$ npm install -g ionic
Ionicプロジェクトの作成
Ionicプロジェクトの作成
$ ionic start KurentoRoomMobile blank --type ionic1
プロジェクト作成中に以下の質問があるので、それぞれ回答
Would you like to integrate your new app with Cordova to target native iOS and Android? (y/N)
→ yを選択
Install the free Ionic Pro SDK and connect your app?
→ nを選択
ソースコードのダウンロード
GitHubから今回のソースコードをダウンロードします。GitコマンドもしくはWebサイトからZip形式でダウンロードして、ソースを展開します。ここでは、Webサイトからダウンロードして解凍する手順を記載します。
- ブラウザで、「https://github.com/baconbabao/KurentoRoomMobile」を開く。
- Tag 0.0.0を選択して、Clone or DownloadボタンからDownload ZIPをクリック。
- Ionicプロジェクトの作成で作成された、KurentoRoomMobileフォルダ内に上書きで解凍。
ソースコードの修正とビルド
ダウンロードしたソースに対して、以下の個所を修正。
www/angular/login/loginController.jsの16行目と17行目のサーバURLを記載。サーバURLは、ご自身で構築されているKurentoRoomサーバのURLを指定してください。KurentoRoomサーバの構築方法は、こちらを参照してください。
なお、現在サンプルサイトを立ち上げていますで、もしKurentoRoomサーバを構築していない場合は、以下のURLを指定することもできます。(当方の都合で公開を取りやめる可能性がありますので、ご了承ください。)
https://kurento-room.baconbabao.tk:8443/ wss://kurento-room.baconbabao.tk:8443/
platformフォルダを追加後、「cordova buildで突然エラーがでるようになった」を参考に、platforms/android/app/build.gradle を修正。また、androidのOSバージョンが4.2の場合は、platforms/android/build.gradleファイルのdefaultMinSdkVersionを19から16に変更してください。
$ ionic cordova platform add android
platforms/android/appの中にある、build.gradleファイルの一番上に、以下を記述
configurations.all { resolutionStrategy.force 'com.android.support:support-v4:27.1.0' }
Android用にビルド。
$ ionic cordova build android
実機で確認
andoroid端末を開発PCにUSBで接続して、runコマンドを実行
$ ionic cordova run android
無事、Android端末で、KurentoRoomのデモが起動したでしょうか?
不具合等ございましたら、コメント欄に記入していただければ助かります。
今後、不具合修正や機能追加、iOS対応などを行っていきたいと思います。
以上